任意後見
任意後見
- 任意後見制度とは、将来自分の判断能力が不十分になった際に援助してもらう任意後見人を前もって指定し、援助してもらう内容(代理権)について前もって具体的に定めておく制度。
簡単に言うと、好きな人に代理権を与える委任契約です。
しかし、取消権がないのが弱点。 - この制度を利用するためには、本人にきちんとした判断能力があるうちに、あらかじめ、公正証書によって、後見人になってもらう人と契約を結んでおく必要がある。
- そして、将来本人の判断能力が不十分になったときに、その契約に基づいて予定された人(=任意後見人)が本人を援助することになる。
- なお、この契約は、家庭裁判所が「任意後見監督人」(任意後見人の職務内容をチェックする人)を選任したときから、その効力が生じることになり、安心です。
任意後見制度の特徴は、「①元気なうちに、②自分の意思で、③判断能力が不十分になったときのために、④任意後見人を、⑤あらかじめ定めておく」です。
任意後見制度の活用事例
将来に不安がある場合
子はおらず一人暮らしだが、最近物忘れがひどく、将来が不安だ。
近所に優しい姪がおり、今後のことを、この姪にお願いしたい。
自己の判断能力がなくなる前に、自己の財産の管理や介護や暮らしの様々な手続きの代理権を姪に与える内容の任意後見契約を締結する。
そして、自分の代理人として様々な手続きをしてもらい、自分を支えてもらう。
任意後見制度の利用状況
最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」によれば、平成27年の成年後見等の申立て件数は、以下の通り。
- 任意後見
監督人選任 - 816件
対前年比約10.6%の増加
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